婦人科良性疾患に対する腹腔鏡手術?ロボット支援下手術のご案内

 
当院では、患者さんの体に優しい先進的な治療を提供するため、腹腔鏡手術およびロボット支援下手術を積極的に導入しています。従来の開腹手術に比べ、これらの手術は身体への負担が少なく、回復が早いという利点があります。また、精密性や安全性にも優れており、多くの婦人科疾患に対応可能です。本案内では、それぞれの手術方法の特徴、メリット、適応疾患、そして当院が目指す医療について詳しくご説明いたします。

腹腔鏡手術とは

腹腔鏡手術は、従来の開腹手術に代わる低侵襲な手術方法として広く普及しています。お腹に数か所の小さな切開(5mmから10mm程度)を加え、そこから挿入したカメラと専用の手術器具を用いて手術を行います。高解像度のモニターを通じて、医師が患部を拡大した映像を見ながら操作することで、精密で安全な治療が可能となります。

◎腹腔鏡手術のメリット
1.体への負担が軽減される
小さな切開で済むため、術後の痛みが少なく、傷跡も目立ちにくくなります。また、出血量が少ないことも患者さんにとって大きな利点です。  
2.回復が早い
入院期間が短縮され、術後の社会復帰がスムーズです。多くの患者さんが数日から1週間以内に退院し、日常生活への復帰も迅速です。
3.感染リスクが低い
傷口が小さいため、術後の感染症リスクが従来の開腹手術に比べて大幅に低減されます。
4.精密な手術が可能
高解像度のカメラを使用することで、患部を拡大して詳細に確認できるため、周囲の正常組織を傷つけることなく手術を進められます。

◎対応可能な疾患
 当院では、以下のような婦人科疾患に対して腹腔鏡手術を行っています。
  • 子宮筋腫 (子宮全摘術および筋腫核出術)
  • 卵巣嚢腫
  • 子宮内膜症
  • 骨盤臓器脱
  • 子宮外妊娠
  • その他の良性婦人科疾患

ロボット支援下手術とは

ロボット支援下手術は、医師が専用のコンソールを操作し、ロボットアームを用いて行う手術方法です。この手術法では、ロボットのアームが人間の手では実現できない高精度の動きを再現し、特に複雑で繊細な手術において大きな効果を発揮します。

◎ロボット支援下手術のメリット
1.高度な精密性
ロボットのアームは人間の手よりも細かく、自由度の高い動きが可能です。これにより、非常に細かい動作が求められる手術でも高い精度を実現します。
2.3D高解像度映像による視認性向上
ロボット支援下手術では、3Dカメラによる高解像度の映像が提供され、患部を立体的に確認できます。これにより、病変部位を正確に特定しながら治療を進められます。
3.患者さんの体への負担が少ない
腹腔鏡手術と同様に、小さな切開で手術が行われるため、術後の痛みや回復期間が短縮されます。また、出血量も最小限に抑えることができます。
4.複雑な手術に適している
強い癒着が想定される場合など、難易度の高い手術でも安全かつ正確に治療を行うことができます。

◎対応可能な疾患
 ロボット支援下手術は、以下のような疾患に対応しています
  • 子宮筋腫(子宮全摘術)
  • 骨盤臓器脱
  • 早期子宮体がん(適応に応じて)

腹腔鏡手術とロボット支援下手術の違い

どちらの手術法も低侵襲手術であり、患者さんへの負担を軽減する目的は共通しています。しかし、それぞれに特徴と適応があります。

  • 腹腔鏡手術は、幅広い疾患に対応可能で、汎用性が高い手術法です。
  • ロボット支援下手術は、特に複雑な病変や高精度が求められる手術に適しています。また、立体的な視認性やロボットのアームによる高度な操作性が求められるケースで効果を発揮します。

患者さんの疾患やライフスタイル、治療に対するご希望を踏まえて、最適な手術法をご提案いたします。

当院の取り組みと患者さんへのサポート

手術を受けることは、患者さんにとって不安や心配が伴うものです。当院では、患者さん一人ひとりに寄り添い、術前から術後まで丁寧にサポートすることを心がけています。
1.経験豊富な医師による手術
日本産婦人科内視鏡学会認定の腹腔鏡技術認定医やロボット手術技術認定医の資格保持者が診療に携わることで安全で確実な手術を提供し、常に最新の医療技術と知識を取り入れています。
2.術前の詳細な説明
手術の流れやメリット?デメリット、術後の経過について、わかりやすく丁寧にご説明します。不安や疑問がある場合は、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。
3.術後のアフターケア
術後の痛みや回復状況をしっかりと確認し、患者さんが安心して日常生活に戻れるようサポートします。

ご相談?お問い合わせ

手術を検討されている方や、治療法について詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。経験豊富な医師が、患者さん一人ひとりの状況に合わせた最適な治療計画をご提案します。
腹腔鏡手術の様子腹腔鏡手術の様子
モニターを見ながら鉗子を用いて手術を行う
ロボット支援下手術の様子ロボット支援下手術の様子
術者がサージョンコンソールに座り、3D画像を見ながら手元のコントローラーを操作して手術を行う