呼吸器外科

診療科紹介

原発性肺がんを筆頭として、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍(胸腺腫?胸腺癌など)、悪性胸膜中皮腫、自然気胸、膿胸、胸壁腫瘍、胸部外傷、気道狭窄などの胸部疾患に対する外科診療を行っています。
臓器別センター化によって呼吸器?アレルギー内科とともに「呼吸器センター」を構成し、外科医と内科医が隣接する外来ブースや入院病棟において診療を協働?担当することで、その機能を十分に発揮できる体制を整えています。
患者さん一人一人の病状に応じて理解、納得して頂いた上で、安心して治療を受けて頂けるよう、スタッフ一丸で診療にあたっています。
呼吸器外科

診療体制

原発性肺がんや転移性肺腫瘍を主体とする悪性肺腫瘍や縦隔腫瘍、悪性胸膜中皮腫、胸壁腫瘍、また、若年男性に多い自然気胸などの呼吸器疾患に対する外科治療を中心に行っています。2019年に武井秀史が診療科長として赴任し、近隣の医療機関とより一層密な連携を取り診療を行っています。呼吸器?アレルギー内科とともに「呼吸器センター」を運用し、外科と内科医師が隣接する外来ブースや呼吸器センター入院病棟において診療を担当することで効率的な診療を実施できる体制を整えています。また、大学病院として医学部学生の卒前教育だけでなく、研修医や専攻医を対象にした外科あるいは内科専門医育成に向けた卒後教育を充実させています。
外来診療:初診?再診ともに月曜日、火曜日、水曜日、金曜日です。これ以外の平日および夜間?休日?土曜日も含め随時対応しています。セカンドオピニオンはその都度日程を相談します。また、毎週月曜日午後に気胸専門外来を行っています。
定期手術は火曜日、木曜日、金曜日に行っています。緊急手術は迅速に実施しています。手術後、集中治療の程度によってICU(中央棟5階、6階)やHCU(中央棟9階)で呼吸?循環の管理を行います。手術前後に歯科外来で口腔ケアを受け、また理学療法士による呼吸リハビリテーションを行っています。これによって術後肺炎を予防し手術後の早期退院、早期の社会復帰を実現しています。

治療方針

チーム医療体制を強化し、呼吸器外科だけでなく呼吸器内科や腫瘍内科、関連各科、ならびに一般病棟?ICU?HCU?手術室?呼吸器センター外来などの看護師、薬剤師などのメディカルスタッフと密な連携を保ち、内科?外科のいずれかに偏ることなく、患者さんごとに適した診断?治療法を選択しています。

特徴的な診療領域

■肺癌治療
―集学的治療―
肺癌治療の進歩はめざましく、その治療は手術、抗がん剤?免疫チェックポイント阻害剤?分子標的薬などの薬物療法、放射線治療を患者さんの病状(病期、病理組織型、全身状態など)に合わせて、適切に組み合わせ選択することが重要です。呼吸器外科、呼吸器?アレルギー内科、腫瘍内科、放射線診断科、放射線治療科、病理診断科と連携して治療法の選択をしています。
―低侵襲手術―
手術にあたってはがんの根治性を確保し、低侵襲に、合併症無く行うことが重要です。足球比分网では胸腔鏡手術を基本手術としています。また、ロボット支援手術も数多く行っています。
従来、肺癌の標準術式は肺葉切除でした。近年では、早期の小型肺癌の頻度が増えています。このような患者さんに対して肺を温存した区域切除を多く行っています。区域切除はその切離境界の同定にコツが必要で、術前のCT画像の3D画像構築、手術中の近赤外光カメラを用いた区域間同定など最新の技術を用いて低侵襲手術を実施しています。
■気道インターベンション(ステント治療、気管支異物摘出)
肺癌、食道癌、縦隔悪性腫瘍などによる気管?気管支狭窄に対するステント治療を行っています。また、異物誤嚥など気管支異物の摘出にも対応しています。
■自然気胸
自然気胸には気腫性嚢胞(ブラ)の破裂が原因で発症する原発性自然気胸と、肺の基礎疾患が原因で発症する続発性自然気胸があります。
原発性気胸は10代後半から30代に多くみられます。手術が必要な患者さんには学業や仕事への影響が最小限となるよう迅速な対応と、低侵襲な胸腔鏡手術を行っています。
続発性気胸は、肺気腫、間質性肺炎、胸腔内子宮内膜症(月経随伴性気胸)、リンパ脈管筋腫症(LAM)、Birt-Hogg-Dube症候群など様々に疾患により発症し、病態に応じた治療法選択が必要です。これら気胸治療に特化した気胸専門外来を毎週月曜午後に行っています。

主な対象疾患

原発性肺がん、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、自然気胸、胸膜?胸壁腫瘍、炎症性疾患(非結核性抗酸菌症?膿胸?胸膜炎?胸壁膿瘍?縦隔炎など)のほか、確定診断の困難な胸部異常陰影に対する外科的診断、気道狭窄に対するステント留置やレーザー治療、気道異物の摘出?除去、さらに発見時すでに広範な浸潤が存在するような胸部悪性疾患に対する集学的治療も積極的に導入し、拡大手術の施行で治療成績の向上に寄与しています。

スタッフ紹介

医師名役職専門分野資格
遠藤 哲哉准教授
診療科長補佐
外来医長
呼吸器外科
内視鏡手術
ロボット手術
外科専門医?指導医
呼吸器外科専門医
気管支鏡専門医?指導医
呼吸器専門医?指導医
がん治療認定医
緩和ケア研修会修了
胸腔鏡安全技術認定
ロボット操縦資格(術者)
ロボット支援手術プロクター(手術指導医)
臨床研修指導医
氷室 直哉講師
病棟医長
呼吸器外科外科専門医
呼吸器外科専門医
気管支鏡専門医
呼吸器専門医
がん治療認定医
緩和ケア研修会修了
ロボット操縦資格(助手)
臨床研修指導医
神武 輝助教呼吸器外科緩和ケア研修会修了
ロボット操縦資格(助手)

外来担当医表

呼吸器外科

医療従事者の?へ

診療実績

手術実績(2023年度)

件数
肺癌 121
転移性肺腫瘍 20
自然気胸 42
縦隔腫瘍(胸腺腫など) 18
膿胸 9
気道狭窄 3
その他 35
合計 248

手術実績(2022年度)

件数
肺癌138
転移性肺腫瘍20
自然気胸41
縦隔腫瘍(胸腺腫など)21
膿胸13
気道狭窄11
その他28
合計272

研究内容

  1. 肺葉切除後の残存肺機能
  2. 気管支断端閉鎖法による術後気管支変形の差異
  3. 肺癌に対する有効かつ安全な胸腔鏡下手術
  4. 胸部悪性腫瘍に対する集学的治療
  5. 肺機能温存手術
  6. 原発性肺癌関連遺伝子とその変異/li>
  7. 自然気胸手術における再発予防のための手術法
  8. 術後合併症の早期診断における2チャンネル聴診器の有用性の検討
  9. IP interventional pulmonologyに含まれる種々の治療。たとえば気道狭窄症に対するレーザー焼灼、ステント治療。気道異物の除去。膿胸に対する胸腔鏡手術。

医療連携?紹介制度について

関連各科医師やメディカルスタッフと密な連携を保ち、内科あるいは外科的療法のいずれかに偏ることなくその患者さんに最も適したテーラーメード医療の実施を心掛けています。状況に応じて呼吸器センター内科チームとともに診断?治療を行うとともに、他科受診も円滑に手配いたします。なお、手術日の関係から、外科初診の方は受け入れ日が限られますが、お急ぎの場合はお気軽にご相談いただければ幸甚に存じます。また、セカンドオピニオンも積極的にお受けしております。
ロボット操縦資格(助手)